放射線がん治療機

60台のサーボモータを小型なドライバで高速制御したい。

放射線治療はがん治療でがん細胞を死滅させるのに有効な手段の1つですが、正常細胞にダメージを与えず、がん細胞だけに的確に放射線を 照射し患者の負担を減らすことが放射線治療の課題でした。 放射線をがん細胞のみに照射するためには放射線の出力口をがん細胞の形状に合わせて複雑に変化させる必要があります。
その開口部としてマルチリーフコリメータ(MLC)が採用されました。MLCは上下各30枚のリーフの形状を変化させることでがん細胞の形状に合わせることが可能です。 MLCのリーフ毎にサーボモータを接続し独立して制御する必要がありますが、モータドライバ60台分の容積をいかに小型化するかが開発の課題でした。
そこでFPGA内に60台分(※1)のモータドライバのPID制御を構築することで基板の小型化を実現することが出来ました。 また、瞬時に上位アプリケーションからの指示通りの形状に追従する際にもFPGAの高速並列処理が有効に機能しています。

※1 基板1枚で16軸のモータドライバを搭載し、基板4枚を1ユニットとして制御しています。